2019/9/30/ 皮膚科専門医、理美容師による解説動画を公開しました。

はじめに

ヘアカラー(酸化染毛剤)は使用説明書をよく読んで正しくお使いいただければ安心してご使用いただける製品です。
しかし、体質や肌状態によってはかぶれを起こしてしまうことがあります。
また、これまでかぶれることなく使用していた製品であっても、花粉症のように突然に症状がでることがあり、かぶれに気付かずヘアカラーを繰り返すと重いアレルギー反応をおこすことがあります。
全てのお客さまだけでなく、理美容師の皆さまもヘアカラーを楽しみ続けるためのポイントをまとめましたので、是非ご活用ください。

施術前の確認

カラーリングの前に、過去のヘアカラーでかぶれ等トラブルがなかったか、また当日のお客さまの体調・頭皮等の確認を忘れずにおこないましょう。
 かぶれたことがあったか
 頭皮等に何らかのトラブルがあったか
 ヘアカラー後に体調の変化があったか
 体調が悪くないか
 妊娠中かどうか
 頭皮、首筋に傷・腫れ物等があるか


ヘアカラーでかぶれ等トラブルがあった方へのヘアカラーの使用はやめましょう

・製品や色番、メーカーを変えてもかぶれを避けることはできません。
・ヘアマニキュアや酸化染料無配合のカラーリング剤をご提案してください。
・過硫酸塩配合ブリーチ剤でかぶれ等トラブルがあった方にはメーカーを問わず過硫酸塩配合ブリーチ剤のご使用はお止めください。

体調に問題なく、過去のヘアカラーでかぶれ等トラブルがない方でもある日突然かぶれ等トラブルが起こることがあります!!
また、かぶれる体質は一生続くとも言われています!

施術中の確認

理美容師の皆さまご自身をかぶれから守るために、必ず手袋をして施術しましょう!!

ヘアカラーが頭皮にしみやすい方、過去にしみたことがあるお客さま
頭皮保護オイル等を活用し、なるべく頭皮につけないように塗布しましょう!!
頭皮等にしみる、チクチクする等の異常を感じた時は直ちにヘアカラーをよく洗い流してください。


お客さまにお声かけし、体調等に変化がないか確認しましょう
息苦しさ・めまい等の気分の悪さ、じんましん等の皮膚異常が現れた時は、直ちにヘアカラーをよく洗い流し、すぐに皮膚科医の診察を受けるようご案内ください。

※万一、ヘアカラーがお客さまや理美容師の皆さまの目に入ってしまった場合は、絶対にこすらないで、直ちに水またはぬるま湯で15分以上よく洗い流し、すぐに眼科医の診察を受けてください。
※ヘアカラーが顔、首筋等の皮膚につかないように施術しましょう。ヘアカラーがついたときは、直ちに水で洗い落としてください。

お流し時の確認

ヘアカラーが残らないようにしっかり洗い流しましょう!
理美容師の皆さまは、流しの際には必ず手袋をして行いましょう!

乳化の際は、強くこすらず、やさしく行いましょう!
ヘアカラーの施術により、頭皮・肌は非常に敏感で傷つきやすい状態にあるので、十分に注意が必要です。


洗い流しが不十分だと、髪・頭皮を痛めることに!
ロングヘアの方、ネープ・こめかみ部分などはヘアカラーの洗い流しが不十分になりがちです。十分に気を付け、しっかり洗い流しましょう!

見送り時の確認

ヘアカラーによるかぶれには、アレルギー性と刺激性があります。
アレルギー性のかぶれは、ご帰宅後に生じることがほとんどです。

ご帰宅後、体調等に変化がありましたらご連絡いただくようお伝えしましょう。



ヘアカラーによるアレルギーには、即時型と遅延型があります!

即時型

即時型アレルギーの場合、ヘアカラーの最中もしくは直後に症状が現れ始めます。
症状例:息苦しさ、めまい等の気分の悪さ、強いかゆみ、発赤、じんましん等の皮膚異常



遅延型

遅延型アレルギーの場合、ヘアカラーの48時間後くらいの症状が最もひどくなります。
症状例:かゆみ、赤み、腫れ、ブツブツ等の皮膚異常



お客さまから体調の変化について申し出があった場合すぐに医師(皮膚科医が望ましい)の診察を受けてもらってください
かぶれを放置したり、適切な処置が遅れると、症状が長引くことがありますので、早く医師の治療を開始することが必要です。

次回ご来店時

前回のヘアカラー後、体調等に変化がなかったかどうか改めて確認しましょう。

ヘアカラーによるかぶれはある日突然に!!

ヘアカラーによるかぶれは、花粉症と同じように突然に症状が出ることがありますので、毎回確認することが大切です。
また、かぶれる体質は一生続くとも言われています。
必ずカラーリング施術前には、しっかりお客さまと会話を交わし、カウンセリングをしましょう!!

お願い

使用説明書をよく読んで、正しくお使いください。
あなた自身とお客さまをかぶれから守るために以下のことを実施してください。

ヘアカラーに直接触れる作業をおこなう時(施術、すすぎ等)は、必ず手袋を着用してください。
お客さまとのコミュニケーションを通じて、ヘアカラーのリスクと皮膚アレルギー試験(パッチテスト)の必要性、ヘアカラーやアレルギー反応の特性、対応策等について情報提供を行ってください。
・お客さまが過去にヘアカラーで異常を感じた経験の有無や、施術当日の肌の健康状態等、ヘアカラーの使用に適することを確認してください。
・ヘアカラーを用いた施術が適さないお客さまに対しては、ヘアカラーのリスクを丁寧に説明するとともに、ヘアカラー以外のヘアカラーリング製品(例えばヘアマニキュア等)を用いた施術等の代替案を提案していただき、ヘアカラーは使用しないでください。

以下に該当するお客さまはヘアカラーの施術に適しません。
ヘアカラーの施術をしないでください。

・今までに本品に限らずヘアカラーでかぶれたことのある方
・今までに染毛中または直後に気分の悪くなったことのある方
・皮膚アレルギー試験(パッチテスト)の結果、皮膚に異常を感じた方
・頭皮あるいは皮膚が過敏な状態になっている方
(病中、病後の回復期、生理時、妊娠中等)
・頭、顔、首筋にはれもの、傷、皮膚病がある方
・腎臓病、血液疾患等の既往症がある方
・体調不良の症状が持続する方(微熱、倦怠感、動悸、息切れ、紫斑、出血しやすい、月経等の出血が止まりにくい等)

解説動画

知識編:ヘアカラーによる皮膚障害


ヘアカラーによるアレルギーを正しく理解しましょう!!
キレイなヘアカラーを楽しみ続けていただくために、ヘアカラーによるアレルギーについて皮膚科専門医に分かりやすく解説していただきました。
サロンワークに役立つワンポイントアドバイスも紹介します。

講師:藤田医科大学 松永 佳世子先生

藤田医科大学 医学部アレルギー疾患対策医療学講座教授
医学博士 皮膚科専門医、アレルギー専門医
【専攻・専門分野】皮膚アレルギー学(接触皮膚炎、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎)、美容皮膚科学

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 0"16 ヘアカラーによる「即時型アレルギー」と「遅延型アレルギー」の違い
 3"04 ヘアカラーによる「アレルギー性のかぶれ」と「刺激性のかぶれ」との違い
 5"49 理美容師を守るために(理美容師の「手荒れ」と「アレルギー」)
 9"12 手荒れをしないために「ハンドクリームの塗り方」

実践編:サロンワークでの取り組み


キレイなヘアカラーを楽しみ続けていただくために、明日から実行できる具体的なサロンワークでの事例をヘアカラリストにご紹介いただきました。

講師:小松 健司氏

日本ヘアカラー協会 ヘアカラリスト
kakimoto arms

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 0"16 カウンセリングで聞いていること
 1"21 お客さまへのリスクの伝え方
 2"07 アレルギーが疑われるお客さまへの対応と伝え方
 3"16 施術中に気をつけていること
 4"21 万が一のトラブルに備えてのお店の取り組み
 5"05 手あれに対する対策
 7"24 安全にヘアカラーを楽しむために必要だと思うこと

講師:江波戸 大介氏

日本ヘアカラー協会 ヘアカラリスト
imaii

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 0"11 カウンセリングで聞いていること
 2"07 お客さまへのリスクの伝え方
 5"14 施術中のトラブルの対処
 8"10 手あれに対する対策
 9"04 安全にヘアカラーを楽しむために必要だと思うこと
理美容師必見!松永佳世子先生によるワンポイントアドバイス!


「理美容師向けヘアカラーリングハンドブック」はネットブックで閲覧、ダウンロードできます。


ヘアカラーを正しくご使用いただくために、「カラーリング施術前チェック表」をご用意しました。


より詳しい情報はこちら

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